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IB経験者のEDUBAL教師によるExtended Essay(課題論文)の書き方、科目・議題の決め方、リサーチ方法に関するアドバイスや有益な情報を集め、まとめました。EEの科目がなかなか決まらない・議題が思い浮かばない・書き方が良く分からない・など悩んでいる皆さま、是非このページをお役立てください!
2020 May IB Final Exams中止と2021年度大学入試についての情報
自宅学習中のIB生がやっておくべき3つのこと
<本ページの内容>
【1】 Extended Essay(課題論文)の注意点、ポイント
【2】 Research Question(議題)、テーマ選びのアドバイス
【3】 文献リサーチ・資料集めのオススメ方法!
【4】 EDUBAL教師のEE体験記~選んだトピックは?~
IB生が参考文献について知っておくべき4つのこと|EDUBAL質問箱の回答
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Extended Essay(課題論文)で高得点を取るためには、もちろん論文自体の質(議題のオリジナル性、論理の展開など)も重要ですが、評価基準と照らし合わせて評価される以上、形式や体裁をしっかり守ることが得点加算のカギとなってきます。そこで、IBOが出版した『「課題論文」(EE)指導の手引き』を元に、生徒が満たさなくてはならない形式、体裁の条件を紹介します。
EEは、英語の場合4000ワード以内、日本語の場合8000字以内に収めなくてはならず、その上限を超えてしまうと減点の対象となります。試験官は文字制限を超えた部分を読む必要がないため、結論まですべて、文字制限内に収まるようにしましょう。
また、論文の長さは短過ぎてもいけません。文字制限以内ならどのくらいの長さでも良い、というわけではありません。理想的な論文の長さは、基本的に文字制限の80~100%といえるでしょう。短すぎずかつ文字制限内にきちんと収まる長さを心得てください。
ちなみに、EEの序論、本論、結論、すべての引用は文字制限に含まれますが、以下の項目はカウントされないため注意しましょう。
<文字数としてカウントされない項目>
・要旨
・地図、グラフ、図表、注釈付きの図や絵
・謝辞
・等式、公式、計算・参考文献・脚注・付録
・目次
EEは4000ワードにも及ぶ論文ですが、骨組みをしっかりと作れば論理的かつ読みやすい文章を書くことができます。何から書けばいいのか分からない、どのように論理を展開すべきか分からない、といった生徒様のためにEEの評価基準(Criteria)を参考にして組み立てた構成を以下に紹介します。
①表紙:タイトル、Research Question(議題)をページの中心部に書き、Session, Candidate name, Candidate number, IB Subject of essay, Supervisor’s name, Word countをページの下部に明記しましょう。
②要旨・要約:EE本文を書き終えた後に、本論文が何について論じているのか(議題の説明)、文中ではどのように論理を展開しているのか(まず~を考察し、次に~を分析した、など)、そして結果としてどのような結論が導かれたのか、など説明しましょう。
③目次
④序章、序論:EEの科目にもよりますが、テーマの背景、歴史、キーワードの定義、なぜこのテーマに興味を持ったのか、なぜこの議題を分析しようと思ったのか、などを書くと良いでしょう。
⑤本論:3、4章に分けて書くと読みやすくなります。
⑥結論:再び、どのような議題に対して何を分析し、どのような結果を得たのかをまとめましょう。予想外な結果や、新しい発見があった場合はそれらを明記し、なぜこの結果に至ったのか、という分析をすると良いでしょう。このEEを書き終えて感じたこと、学んだことなどを書くことで、「自分らしさ」やオリジナリティが強化されます。
⑦脚注補足や参考文献:IBは参考文献や出典の明記に関して非常に厳しいため、MLAやAPAなどのメジャーな書式に沿って正しく明記しましょう。
Extended Essay(課題論文)に取り組む生徒は全員、一人のSupervisor(指導教員)を当てられます。指導教員の役割は積極的に生徒のサポートをすることであるため、教員と良好な関係を保つことが重要です。特に執筆に取り掛かり始める頃は、頻繁に教員と話し合う時間をつくり、テーマ選択に関するアドバイスや、評価基準の詳細などを伺うと良いでしょう。しかし、EEはあくまでも「自立した生徒の手による論文」でなくてはならないため、指導教員がEEに対して過剰なアドバイスやコメントをすることはIBOに認められていません。したがって、指導教員からなるべく適切なコメントをもらうために、ミーティングの前に聞きたいことや疑問に思っていることをメモしておきましょう。また、必ずしも相性の良い指導教員に出会えるとは限りません。EEに関して疑問や不安な点が多い方は、友達や家庭教師にも見てもらうといいでしょう。
EEを書き終えた後には、指導教員とのviva voce(口頭試問)があります。この15分ほどの面接では教員が生徒と共に論文の最終チェックを行うことが目的ですが、ここでの内容がEEの評価に影響を与える可能性もあります。そのため、教員と良好な関係を保ち、自分の努力や積極性、熱意をしっかり伝えておきましょう。
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Extended Essay(課題論文)を書くプロセスの中で多くの生徒がつまずくのは、Research Question(議題)選びです。しかし、論文のテーマになる以上、「良い」議題を選ぶことは非常に重要です。ここではEEの科目別に、「良い」議題を考え出すヒントを紹介します。
※以下の例はあくまでもResearch Questionの元になるアイデア例です。本来のResearch Question(議題)は疑問形で表現することが望ましいです。
①言語Aの文学作品を深く掘り下げて分析を行う論文
②言語Aに翻訳された外国文学をその原文と比較する論文
③言語を研究する論文
EE(課題論文)に使う文学作品は授業で分析したものも使用することができますが、その場合は授業内容の範囲を超えた、生徒が独自で考えたオリジナリティのある分析が求められます。一方で新しい文学作品を選ぶ場合はIBが認定した筆者の作品に限らず、十分な文学的価値がある作品ならば自由に選ぶことができます。
カテゴリー①、②の論文の議題参考例:
・筆者Aの『初期の作品』と『最新の作品』を比較し、宗教に対する考えが変化したかを調査する
・『古典』の筆者Aの現代語訳と筆者Bの現代語訳を比較し表現や描写の差異を分析する
・『任意の作品A』と『任意の作品B』における女性主人公の重要性
☆文学研究の論文になるため、共通する文学要素が複数の文学作品の中でどのように表現されているのか比較するEEが多いようです。
カテゴリー③のEEのResearch Question(議題)参考例:
・言語Aが用いられている国の政治的イベントにおけるネット上反応とその影響の分析
・ある事件に対する異なる見解は大衆紙においてどのように言語化されたのか
☆このカテゴリーのEEでは、言語Aとその言語が用いられている地域の文化の関係性を分析することが求められます。具体的には、文化や歴史の観点からあらゆる言語の形式を分析したり、それらの言語の形式がどのようにして文化の中で生まれ、受け入れられてきたのか、などです。あくまでも言語の論文なので、一般的な文化の分析にならないように注意しましょう。
自然科学科目のEEを書く上で気を付けなくてはならないことは、EEのトピックが明らかに選択した科学科目を主眼に置いたものでなくてはならないことです。例えば、EE科目としてBiology(生物)を選んだ場合、生物学、医学、社会学、経済学など多様な面から見ることができるヒトの病気をテーマにする際には、生物学的側面を強調しなくてはなりません。さらに、トピックが生化学の分野に属するものでも、自分の選択したEE科目が生物ならば、「生物学」に関する内容しか評価されません。
一次情報の収集においては、生徒自身による実験をベースか、既存の文献を自分で分析するか、どちらかを選択することができます。
テーマは広すぎないことが重要です。ざっくりと「水の分析」や「〇〇の化学反応」よりも、実際に調査の対象となるモノ(チューイングガム、ゼリー、アスリートなど)の名前をあげると具体的な議題が導き出せるでしょう。
●Economics(経済)の場合
歴史的要素はあまり強くない方が良く、3年以内の直近の一次情報、二次情報を参考に論文を書き進めると良いでしょう。生徒が実際に住んでいる地域の直近の経済状況を分析し、その経済が外部に与える影響などを分析することがオススメです。
●Geography(地理)の場合
自分の住んでいる地域などローカルなレベルで研究を行うと、高い点数をもらえる傾向があります。ローカルな地域を分析することで、オリジナリティが強調されるためです。
●History(歴史)の場合
ここ10年以内に起きた出来事は「歴史」として認識されないため気を付けましょう。トピックはもちろん、IBDPのHistoryコースから外れたテーマでも特に問題はありません。また、歴史の中立性は大いに注意すべきです。ある歴史上のイベントに対する対照的な二つの見解を取り上げ、それらを比較する議題が定番のようです。
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EEの科目にもよりますが、学術的な論文を書く際には十分なリサーチをすることが重要です。最も身近なリサーチ方法はインターネット上でのウェブページなどの検索ですが、ネット上の情報は必ずしも信憑性があるものだとは限りません。また、検索エンジンからpdf形式の論文を探し出すことも可能ですが、このような検索手順で探すと、多くの場合、論文の出所が不明だったり、信用できなかったりします。ここではEEの参考文献として適切な学術的な資料を探す・集める方法を紹介します!
学術的な論文を検索する論文専用検索エンジンがあります。有料で取り寄せなくてはいけないものもありますが、ネット上で無料で論文全文を閲覧・ダウンロードできるものもありますよ。
以下、大学に入ってからも活用できる論文検索エンジンを紹介します!
<日本語の文献検索>
比較的、オールジャンルの日本語論文を検索することができる。大学図書館にある資料なども検索可能。
科学技術をテーマにした、理系論文が豊富にある。
<英語の文献検索>
Abstract(要約)も書いてあるのでとても効率的。
無料登録で資料を検索し、閲覧可能。
かなり古い文献を使いたい場合や、欲しい論文が見つからなかったときに活用すべきなのが図書館です。論文の資料集めとしてオススメの日本の図書館は以下の通りです。海外子女の生徒様は、日本に一時帰国した際にぜひ立ち寄ってみてください。
・国立国会図書館
記事・論文だけでなく、過去の新聞や政府刊行物、デジタル資料も保管している。身分証明書を持っていけば無料で会員証を作ることができる。資料自体を借り出すことはできず、有料でコピーを取って持って帰るシステムとなっている。文献のサーチ自体はオンライン上でも可能。
・大学の図書館
学外の方でも、公的な身分証明書を持参すれば入館可能。大学によっては、事前申請が必要な場合もあるため、前もって調べてから行くと良い。
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実際にIBを経験した、EDUBAL教師のExtended Essay(課題論文)体験記を紹介します!同じEE科目を検討中の生徒様、Research Question(議題)選びに苦労している生徒様はぜひお役立てください!
●常盤先生
科目: Japanese A(日本語A)
テーマ:『「源氏物語」の現代語訳の小説と、漫画版を比較し、媒体の違いは文学の表現をどう変化するか分析』
苦労したこと、アドバイス:
Research Question(議題)を決めるのに一番時間がかかりました。Supervisorのアドバイスをもとに、自分が好きなもの(漫画)に関連したテーマを一カ月以上は悩んだ末、ようやく決めました。自分の興味のあるテーマを選ぶと、エッセイに取り組むことがそれほど億劫ではなくなりますし、エッセイに自分らしさや熱意をより出すことができると思います。
●岡崎先生
科目: Japanese A(日本語A)
テーマ:『三島作品における「美」は愛からくるのか、嫉妬からくるのか』
苦労したこと、アドバイス:
私がEE(Extended Essay)に取り組む上で最も苦労したのは、適切な箇所に適切な内容の引用を挿入することです。EEでは、10冊以上の参考文献を読み、それらを適宜論文に組み込まなければなりません。それのため、事前にどのような内容でEEを書くのか、大体の見通しを立てるだけでなく、それに併せて参考文献を読み込んでおかなければなりません。EEを書き上げるコツは、「計画性」と「楽しむ」こと。自分の好きな科目や興味のある分野について計画的に研究することで、IBで高得点を取得することに繋がるだけでなく、将来の役にも立つので、最後まで頑張ってください。
●所先生
科目: History (歴史)
テーマ:『鎖国が本来の目的をどの程度達成できたかについての分析』
苦労したこと、アドバイス:個人的に興味のあるテーマを選ぶことが重要です。膨大な情報の中から、自身の分析に説得力を持たせるEvidence(証拠)として使えるような情報を見極めるには、多くの資料や論文に根気強く目を通すことが求められます。興味のあるテーマでなければ、最後まで情熱をもって取り組むのは難しいと思います。
●阿部先生
科目:Economics(経済)
テーマ:『航空機産業の外部不経済やEU ETSの取り組みについて』
苦労したこと、アドバイス: 私もトピック決めには苦労しました。トピックを決めたのはG11の時だったため、それまでに学んだ経済的概念しか使えなかったことが心残りであり、教科書を先読みしておくのも一つの手だったかなと思います。また、実際に自分でデータを集めると独自性が増すのでおすすめです。もし書籍やネットから情報を集めるなら、MLAフォーマットに従うなどして適切に出典をまとめておくことを心がけましょう。
EDUBALの教師はEEだけでなく、IAなどのエッセイ添削にも対応します。詳しくはEssay(小論文)添削サービスをご覧ください。
EDUBALでは東京大学をはじめとした国内屈指の難関大学に通う500名以上の帰国子女教師が、自身の経験を生かしてオンライン上で生徒様の指導にあたっています。オンラインなので世界中のどこからでも指導を受けることができます。また、帰国受験、IB取得という経験を持つからこそ生徒様の悩みに寄り添った指導や相談に応じることが可能です。IBを勉強している人特有の課題でもあるTOK(Theory of Knowledge)やEE(Extended Essay)などのご相談も可能です。IBの勉強の仕方や進め方に関して分からないこと、Math(数学)で満点を取得した人に聞きたいことなどございましたらお気軽にご相談ください!IBを経験した先生達が無料でお答えします。
カブリド 先生(南カリフォルニア大学 / 理学部)
カブリド 先生(南カリフォルニア大学 / 理学部)
滞在国
アメリカ
担当コース
明るく穏やかな性格の教師です。双方向的な授業を心がけており、積極的な理解度確認や、生徒様に解き方を説明してもらったり口頭でテストを行ったりなど、口先だけではなく本当に理解しているのか確認しながら指導を行います。
佐山 先生(University of the Arts London / Fine Art: Painting )
佐山 先生(University of the Arts London / Fine Art: Painting )
滞在国
シンガポール・インド
担当コース
明るく親しみやすいお姉さん風の教師です。生徒様の気持ちに寄り添い、教科の指導だけではなく、学習で困っていることに丁寧な対応を心掛けています。コミュニケーションを大事にし、理解に効果的な学習法の提案を目指します。
古角 先生(McGill University (マギル大学) / Agriculture and Environmental Science)
古角 先生(McGill University (マギル大学) / Agriculture and Environmental Science)
滞在国
マレーシア・タイ
担当コース
計画的であり、その計画に沿う継続力を持つ真面目な教師です。生徒様一人一人に合わせた授業を行いたいと考えており、生徒様の苦手分野を把握した上で丁寧な授業で苦手を克服できるように心掛けます。
※他の科目について、もっと詳しく知りたい方はこちらからご覧ください。
下記では、今までEDUBALで指導を受講された生徒様、保護者様から寄せられた声を掲載しています。
EDUBALで家庭教師をつけるかどうか迷われている方は、ぜひ参考にご覧ください。
分かりやすい授業で、またエッセイの訂正の仕方が丁寧かつ的確で、安心してお任せできました。まだまだエッセイは書けるようになっておりませんが、論理的な書き方を教えていただき、最初の大きな一歩になったと思います。ありがとうございました。
指導力がずば抜けている事は勿論ですが、いつも冷静に接してくださる所が素晴らしいと思っています。先生のおかげで息子が数学に対して高い目標設定をかかげ、自分にも出来るかも知れないという自信を持つことができるようになりました。
幼児にも根気強く向き合ってくださいました。いつも明るく楽しいレッスンでした。
楽しい授業をしていただいています。
否定的な言葉を使わず授業してくださるので、モチベーションを高く持つことができました。