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海外駐在家庭にとって、英語圏現地校やインターナショナルスクールに子どもが通うようになると必ず意識するものといえば、日本の英語検定資格である英検(実用英語技能検定)ではないでしょうか。これは日本英語検定協会により実施される実用英語の英語検定試験です。
英検は日本の中高生が受けるもの、という認識でいた渡英前の筆者でしたが、駐在家庭の子どもの英検取得は今やデフォルト。
帰国生受験においては、英検の取得級が受験者であるお子さんの英語力の判断基準となるケースが多いです。また帰国生受験の実際の英語入試の難易度の目安を、多くの学校が英検を基準として明示しています。
今回はイギリスに約6年在住歴のある筆者の子どもの受験経験をもとに、イギリスの英検事情についてお伝えします。
夫のイギリス駐在に家族で帯同し、約6年間ロンドン滞在経験あり。本帰国後の日本での帰国生らしさを伸ばして活かせる帰国生のあり方や学び方、その先の進路や将来についてまだまだ子供たちと奔走中!
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イギリスのロンドンは英検の海外本会場(その他ニューヨーク、ロサンゼルス、ホノルルも海外本会場)とされていて、日本と同じく年3回試験が実施されています。紙ベースの筆記試験(一次試験)と面接(二次試験)に分かれて行われる実施形式で、従来型の受験が可能です。
ヨーロッパで唯一の本会場のため、英検の受験を目的として、ヨーロッパ諸国から試験日に合わせてロンドンへ遠征する家庭も多いそうです。
受験するためには英検のサイト内に『英検・ロンドン受験会場』のホームページがあり《申し込みフォーム》より申込みができます。
以下はロンドンでの従来型英検の概要です。
(※詳細はホームページで必ず確認してください)
◎受験者の年齢制限なし
◎受験可能級は1〜3級のみ(4級、5級の実施なし)
◎検定料は日本とは異なる
◎試験後の問題冊子提供や試験問題・模範解答の開示なし
◎インターネット申し込みのみ
◎ダブル受験が可能(連続した2つの級の受験)
◎一次試験免除申請が可能(有効期間は1年間)
◎一次を海外本会場、二次試験の受験地を日本国内会場に指定できる
(一次試験当日に「二次希望受験地」欄に記入・マークが必要)
◎日本国内帰国などによる試験後の郵送物の受取住所変更手続き可
(試験日を含む5日以内に《問い合わせフォーム》より住所変更の連絡が必要)
ロンドン受験は受けられる級が3級から、問題用紙の持ち帰りはできないなど、日本国内の規定とは異なります。
また、従来型の英検は一次と二次試験日の期間が1ヶ月ほど空いているため、その間に本帰国し二次試験を日本で受ける場合には、申込みや一次試験当日の「二次希望受験地」欄の記入・マーク、またその後の住所変更手続き方法など、特に注意が必要です。
ロンドンのホームページ内のFAQを開くと、項目別に具体的な例が細かく掲載されているのでぜひ参考にしてください。
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ロンドンの英検受験級は3級からです。
英検のHPには各級の取得の推奨目安が記載されています。それによると3級は【中学卒業程度】とあります。内容として、日常的な話題について、基本的な語句が用いられた短い話や文章の概要や要点を捉えたり、自身の考えや感想を理由を含めて基本的な語句を用いてつたえることができる、とあります。
試験日当日、ロンドンの英検会場には、親御さんに付き添われ手を引かれているような小学校低学年と見られるお子さんも多く見受けられます。
実際筆者の子どもが初めて受験したのは小学2年生の時でした。
その時の受験級は3級。第3回検定でしたので、二次試験を終え、3級合格を手にした時期は新3年生になる直前でした。
その後、準2級を小学3年生の第1回検定で合格、続く第2回検定は、2級を受けて二次試験で不合格になるも、一次試験免除申請をし、第3回検定では二次試験の面接のみを再チャレンジし、無事に2級に合格することができました。小学3年生の終わりでしたので新4年生になる直前です。
初回の3級は、まだ低学年であったこともあり、まずは受けてみる事に重きをおき、力試しの受験でした。その後は年3回実施されるペースにのっかって、英検は継続的に受けるものだ、と子どもに意識付けました。成長と共に、英検の受験の前には受験級の難易度や問題の形式を知り、ライティングなどの対策をして臨むようにしていきました。
現在は準2級と2級の間に、準2級プラスという級が2025年度から導入されています。つまり、3級【中学卒業程度】、準2級【高校中級程度】、準2級プラス【高校上級程度】、2級【高校卒業程度】と段階が上がっていきます。
協会HPに英検3級は「中学卒業程度」という推奨目安がある中で、低年齢から英語環境の中で育つ帰国子女にとって、3級は「小学3年生程度」とも言えるわけですから本当に驚きです。
ただし、あくまでその子が属する周りの環境、通学校(日本人学校・現地校・インターナショナルスクール)の状況や海外滞在期間、英語学習状況により個人差は大きいので、一概には言えません。
もしもお子さんの日本の帰国中学受験することを視野に入れている場合の目安として、一般的な日本の学校では、英検準2級〜2級を帰国子女に求める英語力の水準としている学校が多いと思います。
小学校中学年のうちにまずは3級を目標とし、小学5年生までに2級取得を目指すと、中学帰国受験を見据えた時に順調と言えるのではないでしょうか。
筆者の子どもはその後小学5〜6年で準1級【大学中級程度】、小学6年の第3回検定で1級【大学上級程度】を取得しましたが、1級に合格した時は既に中学受験の願書を出し終えた後のためアピールすることはできませんでした。
同級生の中には小学6年生の第2回検定で1級合格を果たしたお子さんもいたので、個人差はあるものの帰国子女の英語力は本当に高いと言えるでしょう。
英語との向き合い方や対策の進め方、もちろん滞在年数などの違いで英語力の伸びも違うと思いますが、英語圏であるイギリスでは、英語を武器に帰国受験をする場合、中学受験前に準1級までの取得を目指すことが一つのスタンダードになっているように思います。
もちろん英国内の日本人学校に所属する生徒も多いので、上記の限りではありません。
協会の推奨目安に準じて一つ一つのステップを着実にチャレンジする日本人学校などの小中高生や、お子さんに触発されて受験をする親御さん、ヨーロッパ諸国から受験のためにロンドンへ遠征に来ている人も多いようです。
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さて、受験者事情からも分かるように、日本では考えられない低学年のお子さんがロンドンの本会場で受験をしに実際に集まります。
とはいえ英検を受けるお子さん自身はもちろん、預ける親も不安ですよね。
親はどこまで付き添ったり関わったりできるのか?
子どもは一人で大丈夫?
試験を受けるまでにどんな記入事項があるのだろう?
親子で安心して試験当日を迎えるために、知っておいたほうがよい事
と、低学年であっても英検の合格を目指してチャレンジする時、どのような事前準備ができるかについても触れたいと思います。
安心してください。
英検ロンドンのサイト内には、『初めて/年少者のご受験』と題して、持ち物や当日の対応、解答用紙の記入についての注意事項が掲載されています。
また「英検 for Kids!」という専用ウェブサイトがあり、受験級ごとの一次試験の解答用紙と必要事項の書き方、二次試験面接カードと必要事項の書き方が丁寧に掲載されています。
お子さんの受験対応の級の解答用紙をダウンロードしプリントアウトし、必要事項を記入をしたサンプルを当日お子さんに持たせることが可能です。試験当日は試験開始の時間まで、その記入見本を見ながら記入することができるので安心です。
筆者の子どもは記入例を持って受験に臨みました。試験という慣れない環境というだけで緊張するでしょうし、少しでも当日の子どもの不安を取り除いてあげたいですね。
また試験後の待ち合わせ場所なども予め決めておくと安心に繋がります。
写真付きの受験票など受験に必要な書類もありますので、当日慌てないように、持ち物のチェックも忘れずに準備してください。
子どもの適応力や吸収力は大人が思う以上に早いです。
筆者の子どもは渡英後1年以上経ってから3級を受験しましたが、受験前の対策といえばマークシートの説明やリスニングのテンポに慣らす程度。まずは力試しと思って挑ませました。
3級は日常的なトピックが中心なので、極論受験対策をとらなくても、読み書きがまだ十分できないケースであっても、空所補充問題やリスニング問題を十分とることができれば合格のチャンスはあります。
ただし、ルビはふってあっても説明の指示が分からない場合があるので、まずは問題形式を理解させました。特にライティングの指示の内容で、例えば、理由を2つ書くとはどのような事を求めてられているか、指定されている語数やどこに書きおさめないといけないかなど、条件の確認をしました。過去問でお子さんに示したり、マークシートのマークの仕方を説明するなど、子どもが予め理解できる準備はきちんと伝えておきましょう。
準2級以上になると、社会的なトピックも出てくるので、ある程度の語彙を知っておく必要があります。
英検HPに掲載されている過去問を解くこと、単語集で語彙を勉強したり、塾で単発で開催される英検講座などで対策をするのも一案です。
英検HP上には、級別の過去問・試験内容の過去1年分(全3回)に加えて、2024年度実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアルとして、級別のリニューアル内容の詳しい解説が掲載されています。こちらもぜひ対策の参考にしてください。
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最後にS-CBT海外会場の概要についてお知らせします。
従来型の英検ではなく1日で4技能すべてをパソコンを使用して受験し測定できる「英検S-CBT」の実施が海外会場でもはじまりました。
受験地はロンドンテストセンター、ロサンゼルステストセンター、ニューヨークテストセンターの3都市です。
3級、準2級、2級、準1級が対象で、1級に関しては従来型の受験方法となります。また準2級プラスの英検S-CBT(海外会場)については2025年10月以降の実施開始を予定しているそうです。
ロンドンでは2025年4月にスタートして、月に数回週末に実施されています。
一年が3回の検定回(第1回:4月〜7月、第2回:8月〜11月、第3回:12月〜3月)に区切られており、各検定回の期間中であれば、国内・国外の会場を合わせて同一級を最大3回まで申込みが可能です。
海外本会場の年3回の従来型の英検に加え、S-CBT海外会場が導入されたことより、一層受験者の受験機会を広げることができるようになったといえるでしょう。
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海外滞在中に身につけた英語力を本帰国後の日本で証明するツールが正に英検です。
また、英検の取得級によっては、日本における入試で受験資格が得られたり、英語の点数に加点措置があったり、英語の学科試験自体が免除される、といった大きなメリットに繋がることもあります。
帰国後は新しい環境や学校に馴染むために時間がかかるもの。また、英語力をキープするのも意識的にしないと難しくなるでしょう。ぜひ海外滞在中にお子さんの英検の取得を目指していきましょう。
一人ひとり置かれた環境は全く違うため、英語力そのものや英検で目標とする級が違うのは当然です。海外生活がたとえ短くても、海外で触れた英語は、耳として発音として残っていて、きっと今後の英語学習において大きな礎になるはずです。何より英検を受験した経験は必ず日本での今後の英語学習に繋がっていくでしょう。
低学年にはハードルが高く感じられるかもしれませんが、受験の不安は事前の準備でカバーして、まずはそっと背中を押してチャレンジさせてみてください。
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