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帰国子女を受け入れている学校に、EDUBALアンバサダーが母親目線で学校訪問するプロジェクト。今回は川崎市高津区にある洗足学園中学校・高等学校を訪問しました。
JR南武線武蔵溝ノ口駅、東急田園都市線・大井町線溝の口駅南口から平坦な道を歩くこと徒歩8分、美術館かホールかと目を見張る芸術的な建物が見えてきます。洗足学園中学校・高等学校(以下、洗足学園)には、女子校では珍しい広いグラウンドや音楽ホールがあります。校舎内に一歩足を踏み入れると、天井の窓から明るい光が差し込む広い吹き抜けのエントランスが迎え入れてくれます。最高レベルの施設の中で、知的好奇心に溢れた生徒たちが有意義に学生生活を送っていることが伝わってくる空間です。
安定した高い大学合格実績に加え、長い歴史を持つ帰国子女受け入れに基づいたレベルの高い英語教育、と多くの帰国生に人気の同校。
英語のみならず、理系選択者が多いこと、「他流試合」をはじめ様々なことに挑戦する力を養うこと、などあげればきりのない魅力を取材してきました。
知の象徴「ミネルヴァ像」が学びの空間へと誘う
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制服と同じ緑色の看板が出迎えてくれます
所在地 | 〒213-8580 神奈川県川崎市高津区久本2-3-1 TEL:044-856-2777 |
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アクセス | JR南武線「武蔵溝ノ口駅」より徒歩8分 東急田園都市線・大井町線「溝の口駅」より徒歩8分 |
生徒数 | 各学年約250名 中高あわせて約1500名 |
帰国/在京生割合 | 各学年約40人が在籍 |
コース | 設置なし |
帰国/在京生入試 | A方式 英語・面接(英語での質疑応答) B方式 英語・国語・算数・面接(英語での質疑応答) |
編入 | なし |
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【校長 宮阪 元子 先生】
海外で暮らしているということで、苦労もあると思います。しかし、その苦労を乗り越えて生活しているということは本当に立派なことです。
どの国で暮らしていても、日本以外の文化を知る貴重な機会があると思いますが、その文化をぜひ身につけてきて下さい。
受験に関しては、実際に学校に足を運んでみてください。最終的にここだったら、という学校が必ずあるはずです。その思いをもとに、ご家庭ではどのように受験するかをデザインしてあげるのが一番良いと思います。そして、何より健康が一番です。健康に気を付けて、日々出来ることを積み重ねて当日を迎えて下さい。
【玉木 大輔 先生】
オフィスマネージャー・校務主任・国語科
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宮阪先生:
本校の帰国生受け入れの歴史は長く1968年に遡ります。学園に設置されている大学の英文科(当時)で教鞭をとっていたネイティブ教員が、中高の英語も担当したことが発端となりました。帰国生という言葉もなかった当時でしたが、「学園として、また教育としての使命の下、海外経験者を受け入れる使命がある」という学園の強い思いが引き金となりました。そして1994年には中高でも海外からネイティブ教員を招聘し、手作りの帰国生向けの英語学習プログラム(アメリカの教育システムに基づいていたもの)を作成。新たな帰国生入試がスタートしました。現在でもそのプログラムをブラッシュアップして使用しています。
また、本校には1968年当時から帰国生が学校生活にスムーズに打ち解けられる環境がありました。大きく2つの要因があります。一つ目は、音楽という芸術を持っていたことです。海外の学校生活では楽器を扱うことも多いと思いますが、大学の協力も得て、本格的な音楽に引き続き取り組むことが出来ました。
もう一つは英語力を最大限に発揮して活躍する場があったことです。例えば、主催者からお声がかかり参加したUNIS会議ですが、帰国生が大活躍をし、それを学校に戻って在校生に伝えたところどんどん後に続くようになりました。このような学外交流活動を「他流試合」と呼んでいますが、今の生徒たちにも脈々と受け継がれています。
宮阪先生:
本校はインターナショナルクラスは作っておらず、高校1年生まで、英語のみ取り出し授業を行っています。
帰国生のクラスは、生徒の発達段階に合わせて、話題になっている本やシェイクスピアなどの古典を深く読み込んでいきます。それをもとにして、本から学んだトピック(例えば「女性の生き方」についてなど)で自然と討論となっていくような授業です。
高校2年生からは一般生と混合のクラスになりますが、一般生も遜色ないレベルまで英語力を伸ばしているので、お互いの秀でている部分をリスペクトし合っている様子が伺えます。
ネイティブの教員も、より良いプログラムにしようと常に切磋琢磨して議論し合っています。本校は英語に相当力を入れて取り組んでいます。
帰国生英語教育の流れ(学校HPより)
宮阪先生:
今まで長い間帰国生を受け入れてきた実績と教育への自信があるので敢えてクラスを分けるのではなく、日本の中高で6年間過ごすという生徒たちのバックグラウンドを大切にしています。学校は中高6年間で責任をもって、学力的にも文化的にも基礎的な力を身につけさせるという使命を持っています。海外に出て自分のバックグラウンドを求められる場面に遭遇した時、それは「中高の6年間日本文化の中で身につけたもの」となるのではと考えています。
海外で生活してきた生徒が一般の生徒と混ざって、洗足学園の文化の中で、日本というバックグラウンドを根底に持ちながら学びを深めることは多様性という観点からも本当に意味があり、今後世界で求められることにも通じていると思います。
宮阪先生:
帰国生も含めて中1から高3まで全員が5教科を必修で行うことです。高校2年生で文理選択がありますが、最後まで5教科を学びます。
社会については、中学生のうちは、W(World)とJ(Japan)の二つに分けて、世界規模、また日本規模でとらえた歴史的・地理的な学習を少しずつ行っていきます。
理科については、実験をたくさん行います。初めから教員が筋道を立てて教えるのではなく、生徒同士が試行錯誤して相談し合いながら実験を進めていきます。理科が好きな生徒が多く、理系に進む生徒もとても多いです。実験の時に白衣を着るのですが、生徒はとても嬉しそうに着ています。
高校生になると「探究」という学習があり、ネイティブ教員も協力して英語で理科の実験などの授業を行います。ここでも帰国生が大活躍です。今は論文の一部を英語で書いていますが、ゆくゆくは全てを英語で書くことを目指したいと考えています。
十人十色の「探究」
宮阪先生:
「芸術」「挑戦」「哲学的対話」が本校の特徴的なものだと考えています。中でも今、力を入れているのが「答えのない問いに向かう」哲学的対話です。9年前から全学年が行っています。例えば、幸福や格差、平等など答えのないテーマに対して、学年やクラスで生徒が輪になって自分自身が思っていることを発言しますが、ディベートでもコンペティションでもないので、誰もが何かを思ったままに発言できます。高校3年生で中学1年生の時と同じテーマを取り上げることもありますが、同じ問いでも6年間の教育でより深く考えられるようになっていきます。
「挑戦」というキーワードは、「他流試合」参加もそうですが、生徒が自発的に行っていくものです。行事は全て生徒が企画・立案・運営を行います。その中で失敗することもありますが、それも良しで、そこから感動や反省を学び次の代に伝えていく、という流れができています。
課外活動の学校公認団体制度も生徒の自発的な動きからできたものです。現在部活動は運動部14、文化部13、同好会6があり、生徒会が管轄していますが、どうしてもこれ以外のものがやりたい、という生徒が校長室へ直談判にきて学校公認団体の研究会を発足させることもあります。例えば、e-sportsや数学、俳句などですが、それぞれ試合やオリンピックなどの大会へ出場して活躍しています。学校として行っているのではなく、生徒がやりたい!と思うことを応援しています。
知的好奇心が自ずと主体性を駆り立てます
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宮阪先生:
国語と数学に関しては苦労されていますが、苦労しながらも皆さん力をつけていきます。
特に数学は再試制度があり、8割取れるまで再試を繰り返します。初回は、帰国生も一般生もほぼ全員再試を受けているような感じです。数学は積み上げていく教科なので、取りこぼしがないように、と教員は心を鬼にしてやっているのではないかと思います。生徒も嬉しそうに「再試です」と言って前向きに頑張っています。
また、ACE(Alumni Counseling and Education)という、卒業生が個別に学習をサポートしてくれるOG特別補習プログラムや、単元ごとに補習や講習を行いながらフォローしています。
宮阪先生:
帰国生は「海外に慣れる」という経験をされてきているので、結構メンタルが強くたくましい生徒が多いように感じます。クラス担任が5月頃から個人面談を行いサポートしていますが、もしなにか強く不安を感じた時は、臨床心理士が週2回来校しているので、すぐにそこで相談や対応ができるようにしています。またACEも気軽に相談することができるような場になっています。
宮阪先生:
例えば勉強が思うようにいかなかった時があっても、放課後の部活動などで自分自身が安心できる場所、活躍できる場所があるということは大きいと思います。部活動は勝ち負けにこだわるのではなく生涯教育の一環として考えているので、生徒にとっても居心地が良く、部活動入部率も90%以上です。平日の部活動だけではなく、土曜日にあるオーケストラにも参加することができます。
部活やお友達とのたわいないおしゃべりも大事な時間
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宮阪先生:
今年は帰国生が34名卒業しました。本当に頑張って海外大学からもたくさん合格をいただき、4名が海外大学に進学予定です。ハーバード大学(アメリカ)、ブラウン大学(アメリカ)、UCL(イギリス)、IE大学(スペイン)です。ブラウン大学に進学した生徒は柳井正財団海外奨学生に選ばれました。
国内大学の実績としては、東大8名、そのうちの1名は理Ⅲに合格しました。東大を含めて12名が国内の国立大学に、また早慶を始めとする私立大学にも進学しています。帰国生は圧倒的な英語力があるので、洗足の再試システムで数学を攻略していけば、やはり大学受験は相当有利だと思います。
宮阪先生:
学園としても海外大学への進学を応援したいということで、昨年の学園100周年を記念して、前田若尾という設立者の名前を冠した前田若尾記念奨学金という制度を作りました。対象となる大学のリストがあり、総額1000万の給付型です。ぜひ多くの生徒に挑戦してほしいと思います。
宮阪先生:
今年の卒業生は半々くらいでした。今の高校3年生は半分より若干理系が多く、高校2年生は6クラス中の3.5クラスが理系です。理系女子が増えていることを感じます。自分の学びたいことに関して、率先してリーダーシップを取って取り組むことができるのは女子校の良さでもあると思います。
学校が特別に理系を推しているわけではありませんが、理系に向くような環境があるのだと思います。例えば、4つある実験室のうちの2つに、液体クロマトグラフィーや走査型電子顕微鏡という大学の研究室にしかないようなものを設置し、「探究」の授業などで実際に使用したりもします。理科の教員も圧倒的に女性が多く、理系が普通という雰囲気があります。
机のサイズと色まで考え抜かれた図書館と開放的な職員室
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自分自身を学ぶ場所
宮阪先生:
A方式とB方式があります。募集人員は20名ですが、例年、優秀な方が本当にたくさん受けに来てくださいますし、海外生活で苦労されてこられた経験は素晴らしいと思っていますので、できるだけたくさん入学させてあげたいという思いでいます。
母子留学生も帰国生として受験できます。
【洗足学園中学校・高等学校ホームページ「入試情報」】
https://www.senzoku-gakuen.ed.jp/admission/information_1.html
★詳細は必ず学校ホームページや説明会等でご確認ください。
◆【洗足学園中学校帰国生入試情報】◆
【募集人数】
A方式・B方式合わせて20名
【選考方法】
■A方式
英語(60分/100点)
面接(英語での質疑応答)(15分/100点)
■B方式
英語(50分/100点)
国語(50分/100点)
算数(50分/100点)
面接(英語での質疑応答)(15分/100点)
◆【入試対策とポイント】◆
・筆記試験に関しては、ホームページに過去問を出しているのでそれを研究してください。英語に関しては、TOEFLに似ていると言われているので、TOEFLの準備をするのも良いと思います。昨年、問題の選択肢を増やしたり、読む文章を若干短くしたりと、マイナーチェンジをしました。
・面接は約15分です。面接はすごく大事です。入学後、レベルの高い帰国生プログラムについていけるだけの英語力があるかということを確認します。
学校が提供している対策として、模擬面接という機会を作っています。また、秋には、ネイティブ教員と日本の英語科の教員が面接に向けた具体的なアドバイスを行う、面接対策講座をホームページに掲載しますので、それを見て準備してみてください。
面接に向けての助言ですが、作ってきた答えはすぐ分かってしまいます。たどたどしくても良いので、自分の実体験から答えられることが好ましいです。例えば「最近どんな本を読みましたか?」「〇〇を読みました。」「ではそれのどこが良かったですか?」「△△が良かったです。」というように、ごく普通にできると良いと思います。
宮阪先生:
編入試験は行っていません。
復学制度は設けています。一旦入学されて、また海外に行かれて戻っていらっしゃるというケースは実際たくさんあります。卒業までに戻ってくれば再度試験を受けることなく復学できます。
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建物全体にアカデミックな雰囲気が漂う、明るく心地の良いキャンパス。様々なことに挑戦している生徒のいきいきとした表情が印象的でした。
校長先生にお話を伺う中で、学校の「使命」というキーワードが随所に登場しました。学校は生徒の主体的な学びを大事にし、進路実現のためにできる限りしっかりとサポートする、という先生方の熱い思いが、大学合格実績だけでなく、生徒の挑戦する力をますます伸ばしているように感じました。英語学習プログラムをはじめ、将来を見据えたうえでの特徴的な教育は、生徒の学びをさらに深めるだけでなく、自分自身を考えることへも繋がっていくはずです。
英語を活かしたい、様々なことに挑戦したい、将来は世界に羽ばたきたい、たくさんの帰国生の夢を叶える環境が洗足学園には整っています。
夫の海外赴任に伴いロンドンに2回滞在。 3人の子供の様々な受験(帰国中学受験・帰国中学編入・国内及び海外インター)を経験。自&他国カルチャーLoverが、見て、触れて、感じたリアルな気づきを綴ります。
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とても熱心に指導していただきました。娘も説明がわかりやすいと言っておりました。
中学入試のための英語エッセイを英語で指導していただきました。小学生には難しいところを的確に指導していただき、エッセイの構成や内容が格段に向上しました。親しみやすい雰囲気で毎週レッスンが楽しみでした。
素晴らしい授業でした。毎回適切なワークシートの宿題を出して頂き、とても良かったです。指導内容も日本の受験に特化した形で教えていただけたので、注意されたところが息子にも受け入れやすかったようです。受験指導ということで短期間になってしまったので、とても残念です。足りないと思っていた部分を先生が補完してくださったことが、良い結果につながりました。
一貫した指導方法で、安心して授業を受けられました。問題点の洗い出し、またその解決策を具体的に提示してくださる一貫した方法で子供を合格へと導いて下さいました。またその分かりやすさは、勉強の面白さへとつながり、子供が授業を毎回楽しみにしている程でした。大変感謝しております。ありがとうございました。
ICT機器を上手く使って、息子に寄り添ってご指導下さりありがとうございます。