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帰国子女を受け入れている学校に、EDUBALアンバサダーが母親目線で学校訪問するプロジェクト。今回は東京都中央区日本橋にある開智日本橋学園中学・高等学校を訪問しました。
日本を代表する観光スポットの浅草や両国国技館も近く、秋葉原も徒歩圏内の好立地に位置する開智日本橋学園。東京23区内の私学で、一条校として唯一のインターナショナルバカロレア（以下、IB）ワールドスクールMYP・DPの認定校であり、日本の学習指導要領とIBが定める要件の双方を満たす教育課程を実施しています。
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DP5年生が協力して描いた屋上運動場の壁画
| 所在地 | 〒103-8384 東京都中央区日本橋馬喰町2-7-6 TEL：03-3662-2507 FAX：03-3662-2506 |
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| アクセス | ● JR総武線・都営浅草線「浅草橋駅」徒歩3分 ● JR総武線快速「馬喰町駅」徒歩3分 ● 都営新宿線「馬喰横山駅」徒歩7分 ● JR山手線・京浜東北線・総武線／東京メトロ日比谷線／つくばエクスプレス「秋葉原駅」徒歩10分 |
| 生徒数 | 中高あわせて約1000名 |
| 男女比 | 5:5 |
| 帰国生割合 | 約10％ |
| コース | LC（リーディングコース）DLC（デュアルランゲージコース）GLC（グローバル・リーディングコース） |
| 帰国生入試 | エッセイライティング（英語）、国語、算数、口頭試問・面接（英語・日本語） ※帰国生入試はGLCのみ対象 |
| 編入 | 空きがある場合に学期末ごとに実施。要HP確認 |
開智日本橋学園ってどんな学校？～帰国子女の母が行ってみた！～
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【井田 貴之 先生】
教頭 / 広報部長 / 数学科
本校には、これまでの海外生活を通して良かったと思えることや、チャレンジしてきたことが、そのまま継続できる環境があります。
そして、国内外のさまざまな選択肢から進路を選択できる、何でも可能にする選択肢があります。
本校での6年間で社会の縮図を経験して、日本は世界の国の中の1部でしかないという感覚を身に付けて欲しいです。
そして国内外問わず、どの国に行っても学び続け、自分の道を切り開いて行ける人材になってもらいたいと願っています。
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井田先生：
本校の合言葉である「自ら考え、判断し、主体的に行動する」を学ぶ具体的な手段としてIBプログラムを採用しています。本校は東京23区内の私学で唯一のIB認定校(MYP・DP)です。IBプログラムの良い点は最終結果だけでなく、途中の過程も評価する仕組みがあることです。成長過程をきちんと評価し、生徒が学習後、何ができて何ができなかったかを振り返り、今後の課題や改善点を明確にすることができます。
IB教育プログラムのメリットの1つはATLスキルや10の学習者像というキーワードを使いながら、生徒と保護者と教員が常に同じキーワードで同じ事を言語化して認識できることです。
また、認定校はどの教員も一定水準以上の取り組みができないと認定校になれません。 5年に1回、国際バカロレア校の認定更新のための監査が入ります。このように、組織として全員が一定の質以上を保ちながら運営に取り組んでいることが、認定校であることのメリットだと思います。
6年間の主体的な学び
中学1年から高校1年までの4年間、全生徒がMYP（ミドルイヤーズプログラム）を学び、高校2年、高校3年は選択制でDP(ディプロマプログラム）を実施しています。
MYPではLC、DLC、GLCと3つのコースを設定していて、 英語のみ1年生の早いタイミングで習熟度別クラスで動きます。LCは一般生クラス、DLCは英語により早く取り組みたい生徒のクラス、GLCはすでに英語の力が充分にある生徒のクラスで帰国生が多く在籍しています。
この3つのコースの違いは英語のアプローチのみで、どのクラスも美術や技術などは英語で学ぶようになります。例えば、LCの生徒は中学1年の途中から英語で学ぶようになり、DLCの生徒はもう少し早めからと段階を踏んでいます。 このような英語の学び方の違いが主なコースの違いでそれ以外は全く同じです。高校2年、高校3年になるタイミングで改めて大学受験に向けたコース分けをします。
井田先生：
DPのクラスは現在1クラスのみなので、希望する生徒が皆DPへ進学できるわけではありません。本校の目的はDP生の全員を修了させることです。DPの修了率が8割や7割の学校もありますが、2年間学習して修了できないことは避けたいです。単にDPを取れば枠が広がるという甘い考えではなく、英語力やMYPまでの取り組み方、本人の意志などを確認し、DPへの覚悟を持つ生徒を選んでいます。
井田先生：
哲学対話とは答えのない「問い」について皆で話し合い、教師がファシリテーターを務める会議グループの中で行う授業で、中学の3年間じっくり時間をかけて行います。
ルールは2つで、1つ目は相手の話をしっかり聞くことです。相手の話を聞くことは相手を理解することに繋がるので、まずは人の話を聞きましょうということです。2つ目は他人の意見を否定しないということです。発言によっては反論と捉えられる表現もあるので、否定的に聞こえる言い方を、違う表現に変えてみようと教師が指摘します。この繰り返しが哲学対話です。他人の考え方と違ってもいい、しかし尊重しようということを時間をかけて指導します。
また、教員は哲学対話と並行して生徒にチャレンジし続けることを教えています。自分が考えたことを発言しても大丈夫、という心理的に安全な環境を作ることが学校の特色で、 そのような土台があると、学校行事、文化祭、体育祭、部活動なども生徒達が主体的に考え、動き、開催するという好循環となります。
その1つの例として、本校では毎年校舎案内ツアーを実施していますが、運営は全て在校生がしています。募集開始から3時間ほどで枠が埋まるくらい人気のあるツアーです。
他にも、本校はこれまで広報ツールとしてSNSを一切使用していませんでしたが、現在の高1生が中学2年の時に企画書を持ち込み、生徒と教員側が何度も話を重ねた結果、本校のインスタグラムの発信がスタートしました。一般的には、生徒がSNS発信することに懸念を抱く学校もあるかもしれませんが、これも哲学対話とチャレンジを勧めることで生まれた成果の1つです。
【生徒が運営する公式アカウント】
https://www.instagram.com/kaichinihonbashi/
チャレンジを続けているのは生徒だけではありません。本校はボスニアの学校と姉妹校提携をしている日本で唯一の学校です。ボスニアと日本との結び付きを作りたいという思いで教員になった本校の教員の思いが、その夢を本校で実現させた結果です。
授業の様子
【2025年度最新】広尾学園ってどんな学校？深堀り再訪問！～帰国子女の母が行ってみた！～
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井田先生：
中学1年の最初の段階では学習面でのフォローが必要です。それが言語の問題なのか、海外で学習していた為に経験していないのかで対応が変わります。言語の問題であれば、国語科の判断で、フォローが必要だと感じた生徒には1年生の1年間のみ国語の特別授業を行っています。
また、生徒の中には自分で小学校の算数の内容が抜けていると明確に気付いている生徒もいます。そういった際には個別で対応しています。
井田先生：
本校では週2〜3回の開室で、スクールカウンセラーが生徒や保護者に対してカウンセリングをしています。
左：鮮やかな人工芝の屋上運動場 右：広々とした体育館
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井田先生：
毎年10名前後の生徒が海外の大学に進学しています。しかし、今年は現在の世界情勢から海外への大学進学者が若干減りました。
国内の大学合格実績では、例年国公立や医学部へ進学する生徒もいますし、有名私立大学へ進学する数も増えています。
しかしながら何よりも大切なのは、偏差値や知名度でなく、自分が何をやりたいかということで、生徒達が自分自身で満足した結果であれば、それが一番いいと思っています。
井田先生：
大学受験に向けたサポートもしっかりさせて頂いています。5年生（高2生）の秋から実施する放課後特別講座では、5年生（高2生）の間は放課後毎日2時間、6年生（高3生）になると放課後毎日3時間ずつ、いわゆる校内予備校のような形で講座を設けて、生徒達が必要な講座を選択して大学受験に向けて準備をしています。
このような放課後特別講座を用意しているので、予備校に行かずに大学に合格する生徒もたくさんいます。
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保護者会執行部の皆さん
保護者会執行部メンバー：
本校はPR活動にコンサルタントを雇っておらず、先生方も授業に部活にとお忙しいので、その負担を少しでも減らせればと思い、私達執行役員が広報を頑張っています。紙ベースだけでなくデジタルでも広報できるように、インスタグラムに強い生徒さんを巻き込んで、去年から保護者会執行部のインスタグラムも始めました。
3年前からサイレントオークションも開催しています。アメリカからの帰国生の保護者さんから、サイレントオークションの話を聞いて、私達もやってみようと開催しました。それまでは文化祭のバザーの収益だけだったのですが、今ではサイレントオークションの収益も学校設備に充てられます。屋上の壁画のペイント代もこの収益から出ました。
オークションの品は、企業や浅草橋の人形店からの寄付などの物品もあれば、個人のスキルを生かしたレッスンや体験セミナーなどのイベント参加などもあります。（詳細はインスタグラムよりご覧になれます。）毎回パワーアップしていて、今年は学校のノベルティーグッズを作ろうかと思っています。
他にも、本を集めて区役所に寄付する活動をしていたり、去年の学校説明会には登壇してお話もしました。
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【開智日本橋学園中学校・高等ホームページ「入試情報」】
入試情報中学：
https://www.kng.ed.jp/admission/returnee-entrance-examination/
募集要項は9月以降に公開予定。
現在小学6年生（2013.4.2~2014.4.2生まれ）のお子さんが対象。
★詳細は必ず学校ホームページや説明会等でご確認ください。
◆2026年度 中学帰国生入試概要（参考）◆
帰国生入試（GLC対象）
試験科目：エッセイライティング（英語）、国語、算数、口頭試問・面接（英語・日本語）
・従来通り、英語（エッセイライティング）と口頭試問/面接を中心に判定を行います。
・国語・算数は中学入学後の授業に支障が生じないかどうかをいう観点での試験となっています。
・英語本文は英検2級レベルであり、国語・算数は中学入試の基本レベルとしています。
・試験日程については従来通り、午前に筆記、昼食後に口頭試問と面接を行います。
井田先生：
去年から変わった点としては、構成面をしっかり判断しやすくするために、エッセイを1本の長編から3本のショートエッセイに変えたことです。問題形式を変えたことでポジティブな影響があったと感じます。
井田先生：
対策としては、去年から10月の帰国生入試の説明会で入試対策のミニ講座を開催していますので、ご利用頂ければと思います。
また、実際に入学した生徒は、自宅でご両親と色んなトピックに対して練習をしたと聞きました。とにかく自分の考えを書いて述べられることが求められます。
左：卒業生作の階段踊り場の壁画 右：階ごとに色の異なるカラフルなドア。
井田先生：
各学年・コースに欠員がある場合にのみ編入を実施しています。募集の有無は随時本校のホームページをご確認ください。また、本校のIBDPを受けられる生徒は、原則本校のMYPを終了した生徒という決まりがありますのでIBDPコースをご希望の場合は中学3年の2学期までの編入が必須となります。
入学資格留保制度もあるので、もし帰国のタイミングが分かるのであれば、先を見越しての受験をお勧めします。
井田先生：
編入学の定員に限りがあることから、中学1年生のみが対象になりますが、中1の4月入学試験（帰国生入試、一般入試含む）に合格した生徒は、入学式とオリエンテーションに参加していただければ、中1の3学期まで入学資格を保持できる制度を設けています。
本帰国の時期が読めないご家庭や、海外の小学校を終了してから帰国したいという様々な事情に対応した制度となりますので、まずはご相談ください。
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IBカリキュラムや独自のメソッドもさることながら、保護者会執行部の皆さんのパッションと行動力にただただ感銘を受けました。教職員の負担を減らすために、より良い教育施設確保のためにと、こんなに気持ちを入れて活動している保護者会を私は今まで見たことがありません。（筆者も某私立中学の保護者ですが…）
また、学校内に留まらず、近隣の商店街や地域とも繋がろうとする姿勢は生徒達にも良い影響を与えているに違いなく、教室内や廊下ですれ違う先生や生徒達も生き生きとしていてポジティブなエネルギーを感じました。確かに開智日本橋学園であれば、チャレンジすることに迷わず、自分のやりたいことを達成できるに違いないと思います。
シンガポール在住歴14年、アメリカ国籍の主人と国際結婚。 3人を子育てしながら、通信制大学で心理学を専攻中。育児支援コミュニティKids Priority Cafe主宰。趣味は教育・海外生活について綴るnote執筆。好きな言葉は「始めれば始まる」。子どもたちの中高帰国子女受験を経験。
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とても真面目な先生に計画的に指導していただいています。 おかげでテストで高得点がとれました。
日本語で授業させていただいてますが、説明が分かりやすく質問にも丁寧に答えてくれています。授業科目以外の経験やアドバイスもシェアしていただいてるのでIB全体の参考になり助かっています。
すごく質の高い授業をしていただきました。先生のおかげで計画通りに目標まで走り切ることができました。
本人とよく相談してレベルに合わせて指導していただいています。
教え方がわかりやすく感謝しています。
